独身の劣等感に関して、男性の立場で書いた情報は少ない
「周りの友人はどんどん結婚しているのに、私だけ独身…」
という劣等感を抱えている男性は多いと思います。私自身もそういう人間の一人です。
その感情と向き合うためのヒントを探してネット上の記事やブログなどを調べることもありますが、その多くは女性が書いたものであり、直接参考にするのは難しい。
ならば、自分だけが独身であることの劣等感について男性がどう感じ、どう苦しみ、どう戦っているか、私自身の体験を書いてしまおうと思い立ったのがこの記事です。
同じような境遇で苦しんでいる方々の、生き方の一つの参考になれば幸いです。
周りの友人が次々結婚し、段々話が合わなくなってきた
私は20代後半くらいの時期から、周囲の同年代の人達が男女問わず続々と結婚するようになりました。
それから更に数年が経ち、中には子供がいる人も出てきました。
すると、私がそういった人達と会話をした時に「どうも話が合わないな…」と感じることが増えてきたように思います。
結婚したり子供ができた友人は、独身の頃とはライフステージが大きく変わり、興味の対象がこれまでとは異なってきます。
まあ当然のことではありますが…
その結果、友人達が話す内容も
- 配偶者
- 子供、子育て
- マイホーム
- 社会保障
といった、独身時代には話題に上ることのなかったものが増えてきました。
既婚者の友人同士でそういう話をしていると、独身の私には付いていくことができない。会話の中に入れない。
自分自身に経験がないから話題に対応することができない。
大変失礼なことだとは思いますが、そもそも他人の子供の話にそこまで興味がない。
…そのため強い疎外感を感じることが多くなりました。
そんな私の心境を察して独身の私でも入れる話題(仕事の話など)を振ってくれる人もいますが、それはそれで申し訳なさやいたたまれなさを感じる。
結果として、既婚の友人達と会話することが徐々に減っていきました。
周囲の人の目や態度が劣等感をより一層助長させる
30歳を過ぎて独身でいると、家族や親戚、友人、職場の人といった周囲の人からの「いつ結婚するのか」「早く結婚した方がいい」という言葉やプレッシャーがキツくなってきます。
女性の場合はセクハラになりやすいのであまり直接的には言われないかもしれませんが、男性の私には面と向かって容赦なく言ってくる人も多いです。
本当に私のことを思って言ってくれている人、面白半分で言っている人、色々なパターンがあります。
女性の方は割と本当に私のことを心配して言ってくれていることが多い印象です。
一方、私のような独身の男性に「まだ結婚しないの」と言ってくるような既婚男性は、面白がっていたり、マウントを取るために言っている場合が多いと感じています。
そういった蔑むような言動は、私に強い劣等感を植え付けます。
独身であることは、人間としての使命から逃げているのか?
年齢を重ねるにつれて、街中を歩いていると、自分と同年代の人が子供を連れて歩いている光景を見かけることが多くなりました。
そういう光景を見ていると、
「自分が結婚せず、子供を持たずに生きているのは、人間としての生物学的な使命や責任から逃げているのではないか?」
という罪悪感が湧き起こってきます。
冷静に考えれば、結婚するかどうか、子供を持つかどうかは個人の自由なのですが…、この罪悪感が執念深くつきまとってくる。
「独身であることは、人間としての使命から逃げているではないか」という、心の奥底から生じる罪悪感とは今も戦い続けています。
独身の劣等感を感じやすいのは、HSPであることも一つの理由
私が独身である劣等感を強く感じるのは、自分がHSPであることが大きく影響していると思っています。
HSPは他人との心理的な境界線が薄く、また人の言動を過剰に強く受け止め、深く考えます。
さらに、他人の感情の変化を敏感に察知する。
そのため、
- 人から言われた「まだ結婚しないの?」のようなデリカシーのない言葉が痛烈に心に突き刺さる。
- 既婚の友人が独身の私に色々と気を遣ってくれている状況に、強い罪悪感を抱く。
- 自分だけ独身なのは、自分が人間として異常だからではないか?と自分を責める。
といったように、自分が独身であることを非常に大きなマイナスとして捉えがちになります。
それが結果的に強烈な劣等感に繋がっていると感じています。
独身の劣等感への対策:情報を制限する
では、この独身の劣等感に押しつぶされないよう、どのように対処すれば良いのか?
まだまだ試行錯誤中ではありますが、私は「情報を制限する」ことが一番重要だと思い、取り組んでいます。
以下、詳しく説明します。
デリカシーのない言葉を言ってくる人から離れる
「早く結婚しなよ」のようなデリカシーのない言葉は、言う側は優越感に浸れていい気分になるかもしれません。
ですが、言われた側は心が傷つき、気分が悪くなるだけで何のメリットもありません。
独身であることへの劣等感をいたずらに強めることになります。
であれば、そんな心無い言葉を言ってくる人からは離れるのが一番です。
ネガティブな言葉をかけられる状況を避けることで、むやみに独身の劣等感を強めるような機会を減らすことができます。
既婚の友人と話すのが苦しいのなら、一時的に距離を置く
この記事の最初の方で書いた通り、私は20代後半以降に周りの友人が次々結婚し、段々話が合わなくなってきました。
学生時代からの繋がりだから大切にしなければ…との責任感から頑張って接しようとすればするほど、苦しさや劣等感を感じます。
その気持ちに対して最近は、もうこれは一旦距離を置くべき時期が来ているのではないかと悟りつつあります。
既婚の友人と話すたびに苦しさや劣等感が呼び起こされるのなら、接する機会を減らすしかない。
既婚の友人の近況に関する情報を制限するしかない。
自ら距離を置くことには後ろめたさを感じるかもしれません。
ですが、お互いの人生のライフステージが昔とはあまりにも変わってしまった以上、心の安定のためにもやむを得ないのかなと思います。
自分の人生にとって本当に大切な人であれば、またいつかきっと道は交わるでしょう。
その時まで一時的に距離を置くことは決して後ろ向きではなく、自分なりに前に進むための選択であるはずです。
まとめ
今回の記事では、自分だけが独身であることの劣等感に関する私自身の体験と、その現実に向き合っていくための対策について男性の視点で書いてきました。
男性、特にHSPの男は自分が独身であることに対して、こんな風に悩み苦しんでいるのだと、一つの参考にしていただければと思います。
私と同じような境遇の方の悩みを少しでも軽減できたなら幸いです。