HSP

洞察系HSPはどう生きればよいか

今回のテーマは「洞察系HSP」です。

初めてこの名前を聞いた方もいるかもしれませんが、HSPの中には「洞察系」と呼ばれるタイプの人がいます。

私はこの洞察系HSPに該当する部分が多く、独特の生きづらさを感じてきました。

この記事ではそもそも洞察系HSPとは何なのかを解説し、その性質を踏まえて洞察系HSPの人がどう生きれば良いか、私なりの考えを書いてみました。

洞察系HSPとは?

洞察系HSPとは、HSP/HSCプロデューサーの皆川公美子さんが提唱しているHSPの分類です。

通常はHSPの性質というと

・感覚器の敏感性(匂いや音、光、痛みなどに敏感)

・共感性(他人の気持ちや感情を敏感に察する)

に焦点が当てられることが多いです。

実際に本やネットなどの世の中に出回っている情報でも、HSPの性質としてよく強調されるのはこの2点です。

ですが皆川さんによれば、HSPの中には「洞察力」があまりに強く、そのために他人と話が噛み合わない、人間関係がうまく築けないことで悩んでいる人が一定数いるとのことです。

こういった洞察力の強いタイプのHSPを「洞察系HSP」と呼びます。

洞察系HSPの特徴

では「洞察力が強い人」とは具体的にどういう人かというと、物事の本質や心理に対するアンテナが非常に強く、哲学的な見方や考え方をすることが多い人をいいます。

具体的に例を挙げると、

・なぜ自分と同じ人間なのに先生は偉いという前提なのか

・動物園や水族館にいる生き物は自由がなくてかわいそう

・バレンタインデーは結局メーカーの策略に過ぎない

・なぜお酒は20歳からしか飲めないのか、そこに合理的な理由があるのか

というように、他人とは一風変わった物事の見方や捉え方をします。

ある意味で理屈っぽく、人の感情よりも真理や真実を重視する傾向があります。

そのため自分は良かれと思って発言しているのに、「空気が読めない人」「めんどくさい人」と見なされてしまい、傷ついたり悲しい思いをしたりする場合が多いようです。

もちろんHSPの中でも洞察力の強さには個人差があり、非HSPの人と同程度の洞察力の人、敏感さ・共感力・洞察力がバランスよく強い人など、様々なタイプがあります。

ただ、洞察力が極端に強いHSPの人は、敏感さや共感力が強いHSPの人とはまた違った、独特な生きづらさがあると私は思っています。

洞察系HSPである私の生きづらさ

私自身は感覚の敏感さや共感力も強く持っていますが、それ以上に洞察力がかなり強いため、洞察系HSPであると言えます。

そのため、子供の頃から「自分は他の人とは違う」という感覚や、何とも言えない生きづらさを抱えてきました。

例えば、

・日本人はキリスト教徒でもないのにクリスマスを祝うのはおかしい

・日本では国民は皆生まれながらにして平等のはずなのに、天皇をはじめとした皇族が存在するのはおかしい

・これまで人類が地球環境を破壊してきたのだから、我々は地球に対してその罪を償うべきだ

といったことを小学生の頃に主張して、周りの人達からドン引きされた記憶があります。

思えば昔から、世の中の常識や多くの人が何となく受け入れていることを逐一疑い、変だと感じたことに対しては「それはおかしい」と主張するような人間でした。

そんな姿勢は他の人には「変な人」「めんどくさい人」「ひねくれ者」と映ったようで、全く理解されることがありませんでした。

こういった経験を重ねていくうちに「私の考え方はおかしいのだ」と思うようになり、自分の意見や本心を封印することが増えていきました。

私は自分に自信がなく、自己肯定感が非常に低い人間ですが、その原因の一つにこのような洞察系HSPであるがゆえの苦しい経験があります。

洞察系HSPはどう生きればよいか

では、洞察系HSPはどのように生きればよいのか?

私は、プライベートと仕事で異なる戦略を取るべきだと考えています。

洞察系HSPのプライベート

洞察系HSPは物事の真実や真理を突いた思考をすることが多いですが、その考えはプライベートでは他人に話したりせず、胸の内にしまっておくのが良いと思います。

他人に受け入れてもらえた経験が少ない分、自分の考えを理解してほしい、共感してほしいという気持ちはどうしてもあると思います。

ですが洞察系HSP独特の、感情よりも真理を優先する考え方を世間一般の人に受け入れてもらうのはなかなか難しい。

洞察的で冷たさを感じさせる考えを聞いた相手は動揺して困ってしまい、一方自分は相手に受け入れてもらえなかったことに傷つき、円滑な人間関係を築くことが難しくなると予想されます。

それならば、プライベートでは洞察的な思考は自分の頭の中だけに留めておく。

頭の中であればどんなに洞察的な考えに浸っても他人を困らせることはありません。

このように、良好な家族関係や友人関係を築くためにはグッと我慢することが大切だと思っています。

洞察系HSPの仕事

一方、洞察系HSPは仕事ではその洞察力を大いに発揮するべきだと私は考えています。

洞察系HSPの考え方は物事の本質を突くものが多いため、

  • 職場における無駄や非効率な業務を改善できる
  • 他の人が思いもよらない独創的なアイデアを思いつける
  • 顧客が求めるニーズを正確に把握できる

といった可能性を秘めています。

なので上述したようなプライベートとは異なり、仕事では洞察的な思考を自分の頭の中だけに留めておくのは勿体ないです。

ぜひ、仕事では洞察系HSPならではの意見を前面に出し、職場に新しい風を吹かせていってほしいと思います。

また、洞察系HSPには仕事の向き不向きがあると私は感じています。

向いている仕事としては、例えば以下のようなものが考えられます。

  • 研究職
  • コンサルタント
  • 外資系の会社や海外で働く

私自身の職業は研究職なのですが、研究職は洞察的な思考をしても比較的周囲に受け入れてもらいやすいと感じています。

そのため、既成概念を疑う姿勢や疑問点を徹底的に突き詰める姿勢といった、洞察系HSPの性質をうまく活かせている実感があります。

また、組織の問題点を的確に見つけて洗い出し、その改善方法をアドバイスするようなコンサルタントの仕事も、洞察系HSPの能力を活かせるのではないでしょうか。

あとは外資系の会社や海外で働くのも洞察系HSPに合っていると思います。

欧米をはじめとした海外では日本で求められるような過度な協調性は不要であり、とにかく成果を出すことが求められます。

そのため「空気が読めない人と思われるのではないか」なんてことは気にせず、成果につながる本質的な意見をどんどん主張することができます。

まさに洞察系HSPに向いていると言えるでしょう。

一方、洞察系HSPに向かない仕事はその逆、つまり和を乱さないことや上司に従順に従うことが過剰に求められ、業務改善につながる本質的な主張が煙たがられる職場です。

古い体質の会社や一部の公務員などが該当すると思われます。

このように、洞察系HSPが仕事で最大限に能力を発揮するためには、自分に合った仕事に就くことが非常に重要だと思います。

それができれば、自分らしく充実した人生に大きく近付けるでしょう。

まとめ

以上、今回の記事では洞察系HSPとは何かについて解説するとともに、洞察系HSPの人がどう生きれば良いか私の考えを述べました。

洞察系HSPは独特な思考傾向を持つため、人間関係の構築で悩むことも多いですが、その性質を上手く使いこなせば仕事で大きな活躍ができると思います。

洞察力の強さは唯一無二の才能です。

洞察系HSPの皆さんはぜひその性質を前向きに捉え、自分の才能を活かしていってほしいです!

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