世の中では完璧主義は良くないもので、直すべきだという考え方が一般的です。
しかし、私は必ずしもそうは考えていません。
完璧主義を直したりやめたりする必要はなく、むしろ積極的に活かしていくべきだとさえ思っています。
では、どうすれば完璧主義をうまく活かしていけるのか、私の考えを今回は書いてみました。
私の結論は『少数の仕事に集中して取り組める環境を創り出す』ですが、その詳しい内容は本記事の後半で述べます。
完璧主義で悩んでいる多くの方々に、勇気を与えることができればと思います。
完璧主義には悪い印象がある
「完璧主義」という言葉に、皆さんはどんな印象を持つでしょうか?
- 神経質な人
- 頑固な人
- 仕事のやり方が下手な人
- 面倒くさい人
などなど…
あまり良い印象を持たないことが多いのではないでしょうか。
実際、世の中で完璧主義は「直すべきもの、やめるべきもの」という考え方が常識のようになっていると思います。
「完璧主義を直そう」という指導や「完璧主義の直し方」といった情報はいくらでも見かけますが、逆に「完璧主義を活かそう」なんて言葉を私は一度も見たことがありません。
私自身も完璧主義の傾向が強い人間ですが、それを直せ直せと言われ続けるのは自分自身を否定されているような感じがして、非常に悔しいです。
特に仕事で完璧主義は悪者扱いされる
特に仕事において、完璧主義はまるで諸悪の根源とでも言うかのように徹底的に嫌われ、悪者扱いされています。
- 仕事は7割の出来でいい
- 細かいところはいいからスピード重視で
- 途中段階でいいから書類の進捗を見せるように
というように、完璧主義とは対極な仕事の進め方をするように指導されることが非常に多いです。
多くの仕事をこなして早く成果を出す、すなわち「競争」が求められる資本主義社会では仕方ないことなのかもしれません。
ですが、だからといって完璧主義を徹底的に排除してしまうのは、本当に正しいことなのでしょうか?
完璧主義にはメリットもある
そもそも、
- ある程度雑でもいいから多くの仕事をこなすのが合っている人
- 少数の仕事を丁寧に、緻密に、完璧にこなすのが合っている人
の両者が世の中には存在するはずなのに、前者ばかりが評価されることに大変違和感を感じます。
完璧主義な人は「成果の数や量」では確かに劣るのかもしれませんが、「成果の質」では上回っている場合が多いと思います。
また、雑な仕事を積み重ねていくことで仕事に穴や綻びが生まれ、それは後々大きな問題となって噴出する恐れがあります。
一方、完璧な仕事を積み重ねた場合はそのようなトラブルを生むことは少なく、長期的に見ればメリットが大きいでしょう。
そういった意味で、完璧主義であることは決して悪い面ばかりではなく、間違いなく良い面もあるのです。
完璧主義な自分を否定する必要はない
皆さんの中にも自分が完璧主義であることに悩んでいたり、引け目を感じたりしている人がいるかもしれません。
でも、完璧主義な自分を否定しないでほしいのです。
完璧主義であることは決して「欠点」ではありません。あくまで一つの個性です。
成果の早さばかりを追い求めるあまり、その貴重な個性を悪者扱いする社会が間違っている!
完璧主義を強引に直したりやめたりしようとするのではなく、逆にその性質を積極的に活かすことにチャレンジしてほしい!
その方が真の意味で活躍できるはずです。
完璧主義を活かす方法 『少数の仕事に集中して取り組める環境を創り出す』
とはいえ、理想論だけ語って終わる訳にはいきません。
実際に仕事を進める中で、どうやって完璧主義を活かしていくか?
私は以下のような戦略を考えています。
まず、無理して自分の仕事にスピードばかり追い求めたり、中途半端な状態で強引に仕事を完結させたりしようとせずに、完璧主義な自分のまま、丁寧で正確に仕事を遂行することを重ねていく。
そして、「この人は仕事は速くないけど、その分丁寧で正確にこなすんだな」という印象を上司や周囲の人に刻み付けておく。
ただ、そんな中でも仕事は次々に降ってくると思います。であれば、
「自分のこなせる仕事量を超えており、限界です」
と主張して仕事を断る。あるいは、
「新しい仕事をやる代わりに、どの仕事から手を引きましょうか?」
と交渉する。
丁寧な分仕事をこなすのが早くないことを周囲の人が既に理解していれば、これらの主張も受け入れてもらいやすいでしょう。
さらに、もし降ってきた仕事が大して重要でないものの場合、そのまま放っておく。
重要度の低い仕事は、時間が経つと結局やらなくて済むことも多いです。
すると徐々に自分のやるべき仕事が絞られ、厳選されていきます。
こうなればこっちのものです。
少数の仕事に集中して取り組める環境を創り出せれば、完璧主義は真価を発揮する。
そして厳選された仕事に徹底して真摯に取り組み、確実に成果を出す、と。
この考えは以前の記事で紹介した「エッセンシャル思考」の本に書かれていることに通ずるものがあると思います。
この本の内容も参考にしてみてください。
中にはこのような姿勢を
- 消極的だ
- 負け犬だ
- 仕事の出来ない人の考えだ
などと批判する人もいるかもしれません。ですが、
- 雑な仕事のこなし方で、最低限の成果を複数出す人
- 丁寧で緻密な仕事のこなし方で、大きな成果を一つ出す人
この両者に本来優劣はなく、人によって向き不向きがあるだけではないでしょうか。
であれば、完璧主義の人はその性質に向いている後者を選ぶべきです。
以上が私が考える「完璧主義の活かし方」となります。
まとめ
以上、今回の記事では私なりの「完璧主義を活かす方法」を解説しました。
完璧主義は欠点ではなくその人の個性です。
完璧主義で悩んでいる人はそれを直すことにばかり目を向けるのではなく、ぜひ活かす方向で頑張ってみてほしいです。
完璧主義は良くないものだという固定観念がなくなる日が来ることを願っています。