内向型

内向型にオススメの本【内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力】

本の概要

この本は、世界有数の外向型優位社会であるアメリカで生きるスーザン・ケイン氏が、「内向型」の人間の性質に関するあらゆる情報を詰め込んだ本です。

かなりのボリュームがある本ではありますが、これ一冊を読めば内向型という気質に対して非常によく理解が進むと思います。

自分が内向型だと感じている人は、ぜひ一度読んでみることをオススメします。

この本は4つのパートに分かれています。

最初のパートⅠでは、まず社会で外向型が望ましいとされるようになった歴史的背景を解説しています。

その上で、外向型の方が優れているかのようにみなす風潮の危険性を指摘し、内向型の人が持つ強みについて述べています。

次のパートⅡでは、内向型に関する様々な研究とその結果から分かったことを解説しています。

また、エレノア・ルーズベルトやアル・ゴア、ウォーレン・バフェットといった内向型の有名人の逸話も紹介しています。

短めのパートⅢでは、アジアの文化と内向型の興味深い繋がりに関して述べられています。

そしてパートⅣでは以上の内容を踏まえ、内向型の人が社会の中でうまく生きていくための方法や、内向型の子供の育て方について筆者の考えが詳しく述べられています。

この本の中で印象深かった点

デール・カーネギーと外向型との間に大きな関係がある

「人を動かす」や「道は開ける」といった大ベストセラーの本で有名な、デール・カーネギーという方がいます。

当記事を読んでいる方の中にもご存じの方がいるかもしれません。

このカーネギー氏と外向型という概念の間には、切っても切れない関係があることが説明されています。

簡単にまとめると、

20世紀に入りアメリカでセールスマンという職業が一般的になった

外向的な人間が強く求められるようになった

「人の心を巧みにコントロールする技術」や「不安やプレッシャーに立ち向かう技術」が求められるようになった

デール・カーネギーがその技術を身に付け、本としてまとめて出版し、大ベストセラーになった

という流れです。

「道は開ける」の本は私自身も読んだことがあり、たびたび読み返してとても参考にしている一冊でもあります。

その本が生まれる過程にはこんな時代背景があったのだと知ることができ、とても新鮮に感じました。

共同作業が創造性を殺す

今の世の中では一人で作業をするのではなく、「ブレインストーミング」や「オープンオフィス」といった共同作業がもてはやされる傾向にあります。

ですが、筆者はこういった共同作業はむしろあまり効果がなく、特に内向型の人の創造性を殺してしまうと述べています。

内向型である私自身も長年同様のことを感じていたので、この内容は非常に嬉しかったです。

筆者は通常のブレインストーミングが上手くいかない理由として

  1. 他人任せ
  2. 一度に一人しか発言できない
  3. 他者からの評価への恐れ

の3つを挙げています。

一方、対面でないオンライン上でのブレインストーミングであればこれらの問題点が緩和されて上手くいきやすく、またオンライン上なら共同作業でありながら各人は単独作業を行っているので、特に内向型に適している。とも述べています。

自分の経験と照らし合わせてみても、なるほど、確かに!と納得できる内容で、今後の仕事のやり方に大いに取り入れられそうだと感じました。

アジア人は比較的内向型が多い

パートⅢでは中国や日本といったアジアの国は比較的内向型の人が多く、それには個人の願望よりも集団内の調和を重視する文化が影響していると述べられています。

私はそこまで日本人に内向型が多いとは思っていませんが、アメリカ人から見ると全然違うようです。

もちろん、アメリカでも外向型の仮面をかぶっている内向型の人がいるとは思いますが。

逆に言えば、私からすれば日本でさえ外向型優位の社会だと感じているのに、もし実際にアメリカに行ってその超外向型社会を体験したらどんなことになるのか…考えただけでも恐ろしいです。

誤解を招かないために言うと、筆者は内向的な文化と外向的な文化のどちらが優れているということは述べていません。

ですが、内向的な文化は「静かなる粘り強さ」という一つの強みを生み出すと、そしてその筆頭がかのガンジーであると言っています。

また、アジアの国々の人が理数系科目に比較的強いのも、この静かなる粘り強さの賜物だと考察しています。

そう言ってもらえると自分のような内向型の人間は少し勇気が湧いてきます。心強いです。

もちろん一つの国の中でも様々なタイプの人が存在するので、一概には言えないかもしれません。

ですが、全体的な傾向としてアジアとアメリカに内向型と外向型を軸にしたこのような違いがあるということは、読んでいて非常に興味深かったです。

内向型にとっての「コア・パーソナル・プロジェクト」の重要さ

パートⅣでは内向型の人の生き方について触れていますが、その中で「コア・パーソナル・プロジェクト」の重要さが説かれています。

コア・パーソナル・プロジェクトとは、自分にとって非常に重要な、心から大切に思っている事柄のことです。

このコア・パーソナル・プロジェクトに従事している時であれば、内向型の人はある程度外向的に振る舞うことが可能になるそうです。

もちろんずっと外向的な振る舞いをし続けていると疲れ切ってしまうので、回復のための時間と場所は必要ですが。

確かに私自身も、自分が心から意義を感じている仕事のプレゼンでは、驚くほど外向的に振る舞えているなと感じています。

内向型の人にとっては自分のコア・パーソナル・プロジェクトを見つけることが、外向型優位の社会で活躍する上でカギとなるのかもしれません。

また、内向型の人は聞き上手だったり、リスクマネジメントが上手いといった様々な強みを持っています。

上記の内容を踏まえると、コア・パーソナル・プロジェクトに取り組むことで、そういった内向型本来の強みはそのままに、外向型の強みも一時的に身に付けることが可能となるのではないか。

そうすればある意味「最強の人材」になれるのではないか?ということも私はこの本を読んで感じました。

まとめ

今回の記事では、「内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力」の本を紹介しました。

内向型という概念について様々な角度からの情報が書かれており、きっと一人一人にとって大いに参考になる箇所があるでしょう。

内向型だという自認のある人はぜひ読んでみると良いと思います。

自分自身に対する理解が非常に深まるはずです!

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