今回の記事は前回に引き続いて「道は開ける」の本を参考にした、不安に立ち向かうための方法を紹介していきます。
不安へのベストな対処法は人それぞれ異なると思うので、このシリーズで紹介している方法の中で
「これは自分に合っている」
と感じたものを皆さん各自取り入れていただければと思います。
不安に立ち向かうための方法③:データをもとに考える
では早速本題に入ります。
不安に立ち向かうための方法の3つ目は
『データをもとに考える』
です。
私達は、ふとしたきっかけで何かものすごく悪い出来事が起きるのではないかと心配になり、強い不安を感じることがあります。
例えば、
- 乗っている飛行機が墜落するかもしれない
- 新型コロナウイルスに感染して死ぬかもしれない
- 地震で建物の下敷きになるかもしれない
- 仕事で取り返しのつかない大失敗をするかもしれない
…などです。
こういった「大きな不幸が降りかかるのではないか」といった類の不安に対しては、データをもとに考えることが有効です。
すなわち、過去の記録や統計から理論的に考えるということです。
例えば、先に挙げた「乗っている飛行機が墜落するかもしれない」という不安にこの方法を当てはめ、その不安は果たして妥当なものなのか考えてみます。
データを見ると、アメリカの国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査では、アメリカ国内で航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率はわずか0.000034%だそうです。
これは8200年間毎日無作為に選んだ航空機に乗って一度事故に遭うか遭わないかというレベルです。
もはや天文学的な確率であり、まず遭遇することは無いと言えます。
このように具体的なデータを見て考えれば、自分が乗った飛行機が墜落するのではないかという不安を抱く必要性は全く無いことが分かります。
あらゆる「大きな不幸が降りかかるのではないか」という不安に対して同様に過去のデータを紐解けば、そんなとんでもない不幸に巻き込まれる確率はどれも限りなくゼロに近いはずです。
心配事の99%は起こらない
と「道は開ける」の本にも書いてある通り、最悪の出来事が起こることを過剰に心配する必要は無いのです。
不安に立ち向かうための方法④:事実を集め、問題を明確化する
続いて、不安に立ち向かうための方法の4つ目は
『事実を集め、問題を明確化する』
です。
この点については「道は開ける」の本に多くの名言が載っています。
世界にはびこる不安の半分は、人々が決断を支える基本的な知識を持たぬまま物事を決断しようとするところから生まれている
人が事実を公平に、客観的に見ることに時間を費やしたならば、あらゆる不安というものは霧のように蒸発して消えてしまう
問題とは、きちんと明確化しさえすれば半分は解けているものだ
などです。
この方法の具体的なステップは以下の通りとなります。
- 不安の原因となっている問題に関する事実を集め、整理する
- 自分は何が不安なのかを明確化する
- 不安を打開するために何ができるのか選択肢を挙げる
- 挙げた候補の中からベストな選択肢を選ぶ
- 即座に行動に移す
まずは自分が今感じている不安の原因となっている問題について、客観的で公平な事実を集めて整理します。
不安で焦っている時ほど混乱して状況を正確に把握できていません。
そのため、難しいのは重々承知ですが、この「事実を集め、整理する」作業を落ち着いて行うことが非常に大切です。
事実を整理していくと、問題が明確化されて自分は具体的に何を不安に感じているのかがはっきりします。
そもそも問題を解決する必要がなかった、という場合さえあります。
そこまでできれば、明確になった問題やそれに伴う不安を打破するために自分には何ができるのか、どんな行動が可能なのか考えられうる選択肢をリストアップしていきます。
そして挙げた選択肢の中からベストだと思われる策を決定し、即座に行動に移して問題解決を試みていきます。
ただし、ここで行動する前にくよくよと思い悩んでしまうとまた新たな不安が生まれてしまい、堂々巡りになってしまいます。
なので一度決断したら後ろを振り返らず、すぐに行動を起こすことが重要です。
このように、どうしようもなく不安でたまらない時こそ冷静になり理論的に考える意識を持てば、不安に立ち向かうことができるでしょう。
不安に立ち向かうための方法⑤:変えられない運命と調和する
最後に、不安に立ち向かうための方法の5つ目は
『変えられない運命と調和する』
です。
以前「ニーバーの祈り」に関する記事を書きましたが、まさにその内容です。
世の中には自分自身の力で変えられることと、自分にはどうすることもできないことの2種類があります。
自分にはどうにもできないことの代表例は過去の出来事です。
例えば過去に自分の軽率な言動で他人を傷つけてしまったとして、そのことをずっと後悔しても、一度言ってしまったことはもう取り消せません。
例えば事故で体の一部を切断することになったとして、一度失ってしまった体はどうあがいても元通りに戻すことはできません。
過去の出来事に執着し、後悔をし続けて心をすり減らし、心を消耗させ続けるのは得策とは言えないでしょう。
もう一つ、未来の出来事も自分にはどうにもできない場合が多いです。
例えば戦争に巻き込まれるのではないかと不安になっても、戦争が起きるかどうかを自分一人の力で左右することはできません。
自分が何か重い病気になり手術することになったとして、成功するかどうか不安になっても、手術の成否は自分ではどうにもできません。
このように、自分の力で変えられないことに執着し続けるのは、いたずらに不安を増大させて自分自身を苦しめるだけです。
そうではなく、自分にはどうにもできないことは運命に身を委ねる。
あくまで今の自分の行動で変えられることだけに力を注ぐ。
変えられるのは自分の思考と行動だけです。
そうすれば、無駄な不安に心を削られることも減るでしょう。
神よ、変えられないものを受け入れる心の平穏をお与えください。
変えられることを変えるための勇気と、その違いを知る知恵とを。
というニーバーの祈りの言葉を、ぜひ皆さんにも心に留めておいてほしいです。
まとめ
以上、前回に引き続いて「道は開ける」の本を参考にした、不安に立ち向かうための方法を紹介しました。
いくつもの「不安に立ち向かう方法」という武器を用意し、不安の種類や状況に応じて使い分けていく。
そうすることで、人生の中で襲い掛かってくる数多の不安を打ち破ってほしいと思います。
「不安」をテーマにした記事は今後も書いていきますので、ぜひまた読んでみてください。