【レイチェル・カーソン―『沈黙の春』で環境問題を訴えた生物学者】のあらすじと感想

本の概要

この本は、環境問題の歴史を語る上で絶対に外せないであろう人物の一人である、レイチェル・カーソン氏の人生と功績をまとめた伝記です。

本人が書いたものではなく、著者は筑摩書房編集部の方々となっています。

レイチェル氏は以前このブログでも紹介した「センス・オブ・ワンダー」や、農薬による環境破壊を告発した「沈黙の春」といった本で有名な、1950~60年代に活躍したアメリカの女性です。

レイチェル氏は海洋生物学者でありながら作家でもあるという唯一無二の才能を生かし、社会的に成功した人生を歩んでいました。

しかし、当時のアメリカで害虫駆除のために農薬が無秩序に大量散布され、鳥や魚などの様々な生き物が続々と死んでいく状況に危機感を持ち、「沈黙の春」の本を通じて農薬の危険性を訴えかけました。

家族の問題や戦争、当時の男性優位社会、農薬業界の圧力といった様々な障害が立ちはだかりながらも、それに負けることなく戦い続け、最終的にはアメリカの社会を動かすことに成功しました。

また、本の最後には生物学者として有名な福岡伸一先生による、レイチェル・カーソンにまつわるエッセイもおまけとして収録されています。

この本の中で印象深かった点

「沈黙の春」の本をきっかけにレイチェル・カーソンという名前はかなり前から知っていましたが、その人となりについては私自身あまりよく分かっておらず、この本を通じて彼女の考え方や激動の人生を知ることができました。

私自身が海の生き物が好きで、研究職でもあることから、レイチェル氏とは不思議な親近感を感じました。

また農薬問題への取り組みの面では、世間からどれだけいわれのない批判や嫌がらせを受けても、自分の信念に従って正しいと思うことのために戦い続けるその姿勢には、非常に心を打たれました。

それとともに、つい無難に周りの意見と合わせてしまうことの多い日本人にとっては、大いに見習うべき部分があるとも感じました。

私も現代のレイチェル・カーソンになりたい!…というのは恐れ多いですが、少しでもその人間性に近づけるように、自分の信念を貫き通せる人間になりたいと思っています。

まとめ

今回は「レイチェル・カーソン―『沈黙の春』で環境問題を訴えた生物学者」の本を紹介しました。

レイチェル氏は環境問題の歴史上非常に重要な方なので、環境問題に興味のある方はぜひ一読してみてください。

きっと大きな刺激になるはずです!

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